人生においてその年代年代においてやっておくべきことがあります。競争が厳しい将来においては特にそういった備えが重要になります。例えば10歳の子供を将来アメリカのトップクラスの大学に入れて海外で働かせたいという場合、重要になるのには勉強以上にスポーツか芸術(或いはその両方に力を入れさせます)。なぜかというと、アメリカのトップクラスの学校を狙う場合は勉強はまずはその一部に過ぎず、それ以外にスポーツ、芸術、リーダーシップなどのエリアでの成果が必要であり、人格が見られます。思春期の頃(11歳~15歳)は、それらの領域(運動神経、芸術神経)が最も伸びる年齢だから、その分野を伸ばしていく必要があります。本来であれば思春期は退屈な学校のクラスで無駄な時間を過ごすのではなく、自分を鍛える為に日々忙しくしていなければならないのです。

 

ビジネス的な側面で言えば、日本の大企業の場合、50代、60代にならないと役員にもなれず、それなりに企業経営という資本主義の醍醐味の経験ができません。ただ、健康面で言うと、50代以上の癌になる可能性は25%、脳梗塞、心筋梗塞などの突然死のリスクも一気に上がります。子供も成長し、そこまで大きなキャッシュフローも必要ない中、高い役員報酬をもらう必要性もありません。更に、ビジネスの見直し、組織再編成や売却などといった思い切った改革は、その組織に何十年もいる人間が企画実行するには限界があります。なので熟年者は仕事をバリバリするより、自分自身の健康管理に努めるべきです、組織での役割においても、人材育成や、判断をするような仕事に徹し、プライベートでは、より人生を豊かにするようなことに時間を投資すべきです。

 

こういった年齢と時間の過ごし方の不一致が人生の無駄を生むことになるので、今から2500年前の儒教の生みの親、孔子の教えに沿って考えていきたいと思います。まずは若年期です。

 

1.         子曰、吾十有五而志于学 (15にして学を志す)

15歳までは前述の通り、スポーツや芸術に力を入れることが理想的です。子供を塾に通わせ、試験のテクニックを学ぶというのは無駄なことです。というのも、そのようにテクニックで学べることは学問ではなく、科挙制に始まる一斉試験による人材の振るい分けは効果的に人間としての優秀さを測る物差しとしては時代遅れなのです。グローバル化の中、世界中の優秀な人材が国を超えて世界でトップクラスの学校を受験しようという流れがあります。日本でもトップクラスの高校生は日本だけでなく、海外の大学を視野に入れています。将来的に、グローバル化の延長で人材をグローバルに採用することが広がる中、世界のトップクラスの教育を受けない限り人生の成功の可能性も減ります。そして、トップクラスの大学、例えば、ハーバード大学を目指す場合は、15歳ぐらいである程度合格を意識した自分のバイオを築いていく必要があります。まずは自分が将来どのような人生を歩みたいのかVISIONを持ち、大学での専攻科目を決め、トップクラスの大学に合格するためのレジュメに載せる実績づくりをしないと合格はありません。ハーバードクラスの大学に合格するには、15歳、高校1年であれば、クラスではAPと言われる大学レベルのクラスを2~3取り、良い成績を残す(APテストで5)必要があります。更に、数学のコンテストでの優勝、スポーツで全米トップ200、芸術で何らかの賞をもらうということを実現する必要があります。逆に人生を変えるような大きな体験をするというのも必要です。

 

高校2年、高校3年の16歳、17歳では、理数系であればAP Calculous AB BC, AP Stat, AP Biology, AP Chemistryといった教科、文系であればAP English, AP外国語、 AP World History, AP Human Geography といった教科でAを取り、APの全国試験で4か5を取っておく必要があります。ここで日本から受験する学生には大きなハンディキャップが生まれます。というのも日米の教育方針の大きな違いにより、日本は大きく出遅れることになるのです。日本は万人教育に力をいれており、一定の水準の教養を全員に与えようとします。だから全員同じ教科を同じペースで学び、高校で履修する範囲のことも固定化されており、上級のクラス(大学レベル)を提供する学校は僅かであるからです。アメリカの場合は、小学校からできる子どもを分類し、特別な教育を提供します。私の子供は公立校に行きましたが、そこでは特別なプログラムがあり、中学校にしてAP Calculous AB BCを終えていました。なのでトップクラスの大学を目指すには、そのようなプログラムに入っていて大学受験の年まで多くのAP科目を終わらせておかねばならないのです。ただ、ハーバードの場合は学校の成績だけでなく、スポーツの実績、芸術などの実績、リーダーシップ、コミュニティーへの貢献、起業といった実績があればアカデミックの補填ができます。例えば、アスリートとして全国トップクラスの成績、芸術での何らかの受賞、起業やNPO活動において何らかの実績を上げるといった体験が必要になります。アスリートの場合は、アメリカでは大学がスポーツに力を入れているので、全国の高校アスリートのランキングがあり、星がついています。通常その星が3以上あると大学のアスリートとして迎え入れるだけの実力が評価されることになります。更に大学や研究機関でのリサーチなどをすると合格率は上がります。だから、そういった特殊なインターンは人気があり、合格するのは困難です。最後にPSATという全国模試を受け上位に入りNational Merit Scholarに選ばれると合格の確立が上がります。

 

18歳(高校4年)日本は試験だけで終わりですが、アメリカの大学受験は一年かけた非常に長いプロセスで、SATやACTといった一斉試験、エッセイ、面接といったかなり面倒なプロセスがあります。更には授業料が非常に高いので奨学金を獲得するために様々な面接を受ける必要があります。高校4年で成績が落ちると合格がなくなったりする問題もあります。なので、最後の最後までのんびりできないのがアメリカ大学受験であり、それらを考えると日本の大学受験は楽だと思います。但し、逆にアメリカ大学受験は面倒なだけコミットメントのレベルが上がります。

 

ということで吾、15にして学を志すということは、15にして以下の項目をクリアすることです。

1)将来のキャリアパス、選考を決め、それに備える。

2)合格できるための教養を得る(APクラス、成績、SAT)

3)スポーツやアートで全国トップクラスの成果を出す(だから15まではスポーツ、アートに力を入れる)

4)クラブ活動、地域団体などに属するか起業をし、将来的にリーダーになる下準備をする。

5)何らかのチャレンジに直面する(これは客観的に見て大変なチャレンジ)

こうしてみると上記の項目は成長の過程で必要とされる人格育成の基礎になります。なので、アメリカの大学を受験しなくても15歳ぐらいで上記の項目をクリアすることに意義があります。

 

子育てをすることは親の仕事であり、学校や塾などにアウトソーシングしている人がいるかもしれませんが、その場合には、その学校が適切な育成をしているかチェックする必要があります。2024年を迎える際にそれについて考えてみてはどうでしょうか?

 

CVSでの大学留学サポートプログラムは終わりましたが、今後はアメリカの大学に合格するだめの支援を提供していこうかと考えています。具体的にコーチングが必要な人はコンタクトしてください。私は定期的に日本に来て浅草北部教会にてメッセージをしますので、そこで会うのがベストでしょう。明日は10時20分から日曜礼拝のメッセージを担当しています。良かったら来てください。