新年あけましておめでとうございます!2024年はどのような年になるでしょうか?

 

今回は家族で一緒に日本で新年を迎えています。私の娘はCOVIDの間に通った日本の中学の友達と久しぶりに会っています。そんな中で、娘が「不思議」と感じたことがあるそうです。それは皆それぞれの高校に進学していて、「偏差値が…」とランク付けしていることです。日本では自分が「何に属しているのか」がとても重要であり、その属する団体の格付けが重要になるのです。YOUTUBEで面白いと思ったチャンネルにWakatteTVというのがあり、そこでは「学歴マトリョーシカ」というゲームをやっています。街中で人々にインタビューをして、相手の学歴を当て、その出身校の偏差値を低い順に並べてマトリョーシカを完成させたら勝ちというゲームです。面白いのですが、偏差値で人をランク付けするコメントをしているので、日本では偏差値がそこまで重要なのか?と不思議に思います。そして、日本では自分がどこに属するのか、そしてその属する団体の偏差値自体が、その人の格付けになるのかというある理不尽かつ不自然な上下関係のようなものがあるのかと疑問に思います。

 

日本では国家公務員や大企業に就職することで将来は安定するといった神話があります。ただ歴史的にそこまで長く続いた企業はないし、公務員という仕事は、奉公のようなものであり、そこで身に着けたスキルは特殊なもので汎用できません。不沈と言われた戦艦ヤマトは空母による航空戦に対応できずあえなく沈みました。大企業はその大きさ故に沈むときに止めることができなくなります。資本主義の世界であれば、資本家(経営者)でなければその醍醐味を体験することはできません。鶏口牛後ではありませんが、日本人が牛後であることを良しとするのはどうかと思います。

 

2.子曰、吾三十而立 (30にして立つ)

自立をするということはどういうことでしょうか?もうすぐ成人の日が来ますが、二十歳になったら自立なのでしょうか?就職をしたら自立なのでしょうか?

 

職人の世界では、弟子入りをし、仕事を学んだら自立し自分の店を開きます。医学を志すと医学部を出て、インターンで経験を積み、その後初めて専門医か開業医などの道を進むようになります。弁護士や会計士も同様に資格試験を通り、現場の経験を積んで初めて自立をすることができます。その年齢として30というのは妥当な年齢です。自立をするということはプロとして自分の腕で仕事をして生活をするということです。

 

サラリーマンや公務員という仕事はまさに歯車の歯であり、使用人に過ぎません。そしてそういう過去からの伝統に取りつかれた企業では年功序列で少しずつ責任が増えていきますが、日々の仕事内容に関してはあまり頭を使わない作業的な仕事に携わることになります。日本の義務教育同様に全員同じ尺度で仕事を任され少しづつ仕事になじんでもらう流れになります。ただ、現実の社会、現実のビジネスの世界は動きが早く、競争も過酷です。大企業や公務員は大きな船に乗っているような錯覚に陥り、波の激しい現実の世界とは乖離してしまいます。巨大な豪華クルーズとは異なり、大企業や公務員の大型の船は順調むという約束はありません。船から落とされることもあれば、船がばらばらになってしまうこともあります。その際に激しい荒波の中、自分の力で生きていくことができるでしょうか?今の日本はまさに自分の船に自分の将来を任せることができない状態になっています。技術を身に着けて船から船を渡り歩くキャリアの人も少なくはありません。サラリーマンや公務員にとって「自立」とは何を意味するのでしょうか?

 

60までキャリアがあると想定すると、30はちょうどその半分になります。人生で何かを目標にしているのであれば、30にはその目標とするポイントに近づかなければなりません。プロのアスリートはよく肉体的なピークは30という人がいますが、ビジネスマンも30がそのピークであることは間違いありません。30までは転職も楽にできるかもしれませんが、30過ぎるとやや困難になっていきます。公務員はわかりませんが、大企業ではだいたい30になると、出世コースか、50で再雇用になる通常コースか分かれてきます。なので仮に大企業に魅力を感じていて継続的に頑張ろうという気力があるのであれば、ある程度のPositionまでの昇進がなければ、その会社を去った方がより飛躍したキャリアを歩める可能性があります。つまり、30までには自分がプロのビジネスマンとしての役職につくか、起業するなりしてプロとして自分でやっていくという状況にならなければなりません。つまり30までには自分でどのようにキャリアを歩むか決めてその方向に動くべきです。やはり孔子に学んで30には「立つ」=プロとして自立するということが必要です。

 

プロになるということは自分が社会に貢献できるスキルを持っているということです。偏差値、学歴、公務員、そういったことは世界では通用しません。将来的にそういった日本特有のものは徐々に意味がなくなっていくでしょう。自分がプロとしてどういう形で社会に、世界に、貢献していけるのか30歳になるまでにはそれらをしっかりと身に着けてもらいたいと思います。2024年を迎えるにあたり、それをNew Year’s Day Resolution(新年の抱負)として考えてみてください。