人生の中で最も重要な探索は自分のパートナー探しです。一度しかない人生なので、最適なパートナーと最高の人生を過ごしたいものです。現代は歴史的に最も人々が移動し、更にはテクノロジーの進化により、より多くの人と簡単に色々な人と出会いができる時代です。ただ、そんな中で離婚率は上がり、未婚の人は増え、それに少子化という社会問題が寄与しているとは何とも皮肉な社会です。恋人を見つけることはできるが結婚相手が見つからないのは何故かということを今回は考えてみたいと思います。

 

AI同様にマッチングアプリにしても結婚相談所にしてもアルゴリズムが適切に設定していなければワークしません。相手に求める要素として、所得、年齢、学歴、身長(体系)、趣味などを標準化するのは間違いです。というのも人はそれぞれ人生でパートナーに求めることは異なります。むしろなぜそれらを求めるのかというのを突き詰めなければなりません。例えば、所得であれば経済的に自分を支えてくれること、学歴であれば知恵や知識により自分の徳を高めるということなど考えられますが、同様に年齢や身長、趣味に関してもなぜその要素を求めるのか考える必要があり、優先順位を決めるというアルゴリズム設定が必要になります。自分が人生で何を求めているかが明確でないが故に一般的な基準値に従っているのです。なんとなくであるから故に時間の無駄、或いは妥協、失敗が起きてしまします。但し、前述したとおり、自分が相手に求めることが明確であれば、無駄に面会したり、チャットしたりする時間を投資する必要もなくなります。相手に求めることの優先順位が明確に決まっていないという問題があるから、無駄に時間を使い、なんとなく年だけとっていくのです。

 

聖書の中にはアダムのパートナーとしてアダムのあばら骨からイブを神が作るとあります。人は女性から生まれてくるのでアダムからイブが作られるというのは何とも不可解な点ではありますが、多くの国で歴史的に家庭の中では男性が家長(head of household)としてイニシアチブをとってきました。なので、力のある男性は好き勝手に条件をつけ、自分の好みの女性を見つけてきたのではないかと思います。女性の社会進出が進み、女性も家長になれる、あるいは男性と女性が同じレベルで家計に貢献する時代になると、女性も相手に対する条件設定をして、お互いの条件設定がかみ合わない限りパートナーという関係を構築するのは困難になりました。なので、マッチングアプリなどのシステムは効果的に機能するはずです。そんな社会の中でもまだパートナー探しに奔走してしまうのはなぜなのでしょうか?

 

テクノロジーが進化すると広く浅い関係が広がり、そこに多くの時間を費やすようになる落とし穴があります。結婚は人生に最も大きなインパクトがあるイベントであり、結婚をするというのは密に深い人間関係に入っていくことを意味します。だから人間関係を深める為には、人生に対する捉え方、価値観、そして人間関係を深めていくための努力とスキルが必要になります。

 

1)        自分自身の未熟さ:ライオンの世界でも、トドの世界でもメイトできる男性の数は限られています。これは適者生存の自然原理における基本であり、全てのCREATIONの中でメイトできず子孫を残すことができない者は必ずいます。妊娠出産ができたとしても、未熟な状態であれば子孫の生存は困難になります。高学歴の人の中には性的関係を持つことを控える人も増えています。というのも、その結果としてありうる責任、妊娠、出産に対する備えができていないという未熟さを理解しているからです。性的快楽の為に恋人を作るというのはまさに人間としての未熟さの表れであり、未熟な状態では成熟した人間関係を構築するのは困難なのです。未熟な状態で結婚をする場合は、お互い短期的に成熟することに関する覚悟が必要になります。相手を探している状態で未熟な人はまずは自分自身を成熟させることに集中すべきです。女性の場合は妊娠出産というバイオロジカルな、状況によっては優位性、時間的には限界性のある要素があるので気を付けなければなりません。自分が未熟であっても、成熟を相手に求めればパートナーを見つけることは可能ではあります。但し、結婚をするということの意義と目的を十分理解していないと、準備不足でパートナーとの人間関係を深めることには失敗し、結果として破綻することもあります。続いたとしても依存性のみが生涯残ることもあります。

 

2)        ビジョン、価値観の共有:結婚相手を探すのに、趣味があうとか気にする人がいますが、人生におけるパートナーの場合は趣味以上に人生における意義や価値観の方が重要になっていきます。というのもパートナーとは、人生の貴重な時間を共に過ごし、共に家族を築き、共に老いていくのです。将来どのような人生を歩みたいと思っているのか共通のビジョンがあればそれに向かって一致団結できます。子育ては多くの家庭で持つ共通のゴールになります。但し、子育ては一過性のものなので、できれば何を将来の幸せとして考えられるのかを明確にしておくと楽でしょう。企業でいうビジョン(Mission Statement)です。更に自分が人生において何を大切に感じ、何を軸にしているかという部分も共有する必要があります。企業でいう理念(Value Statement)です。宗教や親や家族との関係、仕事などの優先順位と価値観です。多少趣味が入る場合もあるかもしれません。それが共有できればパートナーシップは成り立ちますが、共有できなければ成り立ちません。まずは自分でこの部分をはっきりさせておかないと無意味に相手探しをすることになります。

 

 

3)        自分の特性の理解不足:付き合っても結婚までに至らない。結婚しても離婚してしまう場合は、自分の特性と相手の特性がうまく一致していないことが考えられます。世の中でいう性格の不一致がそれなのですが、それには自分自身の特性を理解すると同時に相手とのチームワークをはぐくむ努力が必要です。デート、交際をする際にはこの部分を見極め、結婚に発展するかの見極めをすると同時に絆を強める必要があります。というのも、パートナーと自分がどのような関係にあるのが自分にとって自然なのかを理解していないと問題に直面した際にパートナーシップに破局が訪れるからです。Master(主人)とServant(召使)の関係はプラスとマイナスのようなもので、どちらかが優勢で、どちらかが従属的な状況は円滑に物事が進みます。息の合うカップルの場合は状況により主導的、従属的な関係を成り立たせることができます。相手と付き合う際にはこの主導的、従属的な役割をロールプレイしていく中でパートナーとしての適性、強さが試されていきます。交際をする際にはだらだら長い時間をかけるより、共通の体験の企画と実行をする中で相手とのパートナーシップがうまく回転しているのかを判断するのが効果的です。徐々にうまくいく場合もあるので、見極めが重要になります。2~3年一緒にいってこの部分で答えが出ないようであればそれは縁がないのかもしれません。ただ2~3年という時間は長いので、できれば短期でこの部分を見極めてしまった方が良いかもしれません。

 

a.      主導的な人のアプローチ:主導的な人間は自分からビジョンを示し、楽しみながら企画と実行ができます。それを負担に感じてしまう場合はあまり主導的ではない場合もあります。主導的な人はパートナーと楽しみを共感することにゴールをおいているので、常に相手が楽しんでいるかどうしているかを気にかけているはずですし、企画にも相手のIPを必ず入れてきます。

b.      従属的な人のアプローチ:従属的な人の場合は、主導的な人の企画の中で自分の役割を見出し、主導者が企画を成功させる喜びを共に感じるという体験を実現していきます。適切にタイミングよくフィードバックをし、自分が与えられた役割をしっかりと果たし、喜びを共有し、共感していきます。

これらの役割を得意分野別に交換していきながら相手との相性を高めていく努力をしていけば必然的に二人の絆は強くなっていきますし、相性の見極めもできます。

 

4)        愛に関する理解とコミットメント:婚活をしている多くの人は恐らく結婚相手を探すの胸のときめきを求めるのは違うということをわかっていると思います。ギリシア神話に出てくるキューピッドと心理学(Psychology)の語源になった美女PSCYCHIとの話はまさに美しさに魅かれておかしくなってしまう状況を表現しています。結婚は長期的なものであり、美しさは衰え、むしろパートナーとしての相性が愛情となっていきます。つまり時と共に愛情は深めなければならないのです。相手から愛情を求める以上に自分自身が愛に対する理解と成熟がないと長期的に愛情を持続させることは困難です。聖書のコリント人への第一の手紙13章にある愛を夫婦の愛にあてはめることもできます。愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。 礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。 不義を喜ばず、真実を喜ぶ。 すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。愛は決して滅びない。 一方的に自分が耐えてもよくないので、夫婦が共にこのように愛を高めるコミットメントをするのが結婚であると思います。だから結婚の際はこの聖句が良く使われるのです。相手と結婚するかどうか最終的な決定要因というのはお互いが上記の愛情を深めていく努力をする覚悟があるか確認するというものです。愛のない結婚は悲惨です。

 

夫婦関係、恋人関係が長く続かない、恋人から夫婦になれない状況には、どちらかが人間関係をどう深めていくのかということに対する理解とコミットメントが不足していることが想定されます。恋人に「告る」ということが恋人関係の始まりでありますが、恋人になるというのはそういったコミットメントが伴うということを明確に教えなければなりません。学校で盛んに性教育をする以上に人間関係構築の教育をすることの方が人生の成功には重要ではないかと思います。学校、就職先、友人関係などコミットメントが不足しているのが現代社会の欠点です。その場だけ良ければ良いという短期的な考えだけで長い人生における幸せをつかむことはできません。長期的な人間関係を構築するにはまずは上記の4点を参考にしてみると良いでしょう。